【感想】ブルーボトルコーヒー vs スタバ
先日、東京都現代美術館に用があったので、清澄白河駅に降りたんですけど、
清澄白河と言えば、ブルーボトルコーヒー、
ブルーボトルコーヒー
今年2月に日本に初上陸したブルーボトルコーヒー、オープン前から『サードウェーブ・コーヒー』とか言われてかなり話題になってましたね。
自称コーヒー好きの私も当初から気になってはいましたが、かなりの混雑が予想されたため、行くのが億劫になっていました。
今回はせっかく清澄に上陸したので寄ってみます。
土曜日の昼過ぎということもあるでしょうが、まだまだ行列は絶えません。
暑かったし美術館で歩き回って疲れたあとだったので、行列をみて諦めかけましたが
私もサブカル男子への切符を掴むために、思いきって並んでみました。
40分くらいたったでしょうか。
威勢のいいおじいちゃん係員に誘導されて、4人ずつ店内に吸い込まれていきます。
おお…!
おおお!
こ、これがサードウェーブ!コーヒー界のアップル!!
並ぶのに時間がかかったのは、どうやら人気だけが理由じゃなく
このように注文を受けてから一つ一つドリップするからなんですね。そりゃ時間かかるわ。
私が店内に入ってまず思ったのは、スタバとは違う、“匂い”でした。
個人的にベローチェとかドトールは、コーヒーの味は嫌いじゃないけど、
“匂い”が論外なんです。
それはたぶんタバコの臭いのせいなんですけど、たばこの臭いが嫌いな人はまずこれらの店を選ばないので、この価格帯のカフェとなると
やっぱりスタバ一択でした。分煙してるといっても、やっぱりね…。
だから、自称コーヒー好きでたばこ嫌いの私は、それなりのプライドをもってスタバに行ってたんですけど、私、ブルーボトルにきて思いました
スタバよりも良いにおいがする…!
なんというか、あっさりした、エグみの無い、コーヒーの良いにおい。
スタバもコーヒーのいい匂いがするんですけど、ちょっとロースト感が強いというか、深煎りだよなーって印象があります。においも味も。
苦めのコーヒーが好きな人にはいいんですけど、あっさり味が好きな私にはちょっとくどいというか…濃すぎるんです。
これは実は、うすうす気付いてたことでした。
でも、他の選択肢がなかったから、
こーゆーものなのだ。おいしいコーヒーってのはこーゆーものなのだ!
と自分を納得させていたのです。
スタバさんが言うなら、間違いないでしょうという感じで。
でも、私は知ってしまいました。ブルーボトルさんを…!
味はブルーボトルコーヒーの勝ちか
普通コーヒーチェーンでは、ドリップコーヒーを抽出する時、一気に20〜30杯分くらい落とします。そしてそのまま保温容器に入れて温度を保ったまま、お客に提供するのです。そうすることで、注文を受けてからすぐレジで提供できるシステムが可能となっています。
しかしこれは、コーヒーの酸化を防ぐことはできません。
みなさんも時間を置いたコーヒーを飲んで、“苦っ”てなった経験があるかもしれませんが、コーヒーは空気に触れることで酸化し、酸味の強いものはさらに酸味が、苦みの強いものはさらに苦みが強くなってしまいます。
密閉性が高いとはいえ、保温容器の中はコーヒーが売れるにつれてコーヒーが減り、空気が入ってきますから、酸化は免れません。最後の方なんてかなりエグい味がしたりします。
対してブルーボトルコーヒーでは、使ってる豆の種類の違いとかもあるでしょうが、注文を受けてからひとつずつドリップする分、新鮮なんです。
とことん、そこにこだわった。
これがいわゆるサード・ウェーブなんだと思います。
それでも私は、“スタバ”と言う
店内に入ってもうひとつ思ったのは、
客席少なすぎじゃない?
ってことでした。
STAFF ONLYのスペースに比べて、圧倒的に客席数が少ないのです。
2階への階段があったので、てっきり客席だと思ってましたが違いました。
(一体あの広大なスペースをなにに使っているのだろうか…。)
これってスタバじゃありえなくないですか?
スタバで客席坪より業務スペースの方が大きいところなんて見たことがありません。
たまに駅ナカとかでせまいスタバを見かけることもありますが、それでも厨房より狭いなんてことは無いです。
スタバだけじゃなく、ほぼすべてのコーヒーチェーンも同じでしょう。
でも、ブルーボトルコーヒーはあえて席を多く設けていません。
それはなぜか?
完全に私見になりますけど、それはたぶん、
サード・スペースになることを嫌っているからじゃないでしょうか。
自宅と学校、自宅と職場の間に位置するサードスペースは、作業場、交流の場として機能します。
席数を多くとり、快適な空間を作ることでこれを目指したのがスタバです。しかし、コーヒー1杯で2〜3時間滞在する客が増えたため、回転率が下がってしまうという問題も抱えています。
逆に客席を少なくしてしまえば、客は“滞在”を求めてやって来なくなります。
必然的に、ブルーボトルの顧客はコーヒーそのものを求めてやってくる人になります。
つまり、
快適な場を求めたリピーターを増やす=スタバ
コーヒーを求めたリピーターを増やす=ブルーボトルコーヒー
と、こうゆう戦略の差があったのです。
ここからは個人的な話になりますけど、
私はブルーボトルコーヒーにきて、なにを思ったのかと言うと、
「休みたい」と思ったんですよね。
これ完全に私の予習不足ですけど、ここに来れば休めると思ってたので、
コーヒーとワッフルはとても美味しかったんですけど、最終的な感想としては、“ちょっとがっかり”してしまったんです。
そしてこの“ちょっとがっかり”してしまったことこそが、いままでの私の価値観を根底から覆すことになりました。
私は今まで、コーヒーを味わうために、わざわざスタバを選んでいたと思っていました。そしてコーヒー好きを自称していたのです。
ですがブルーボトルに来て気付いたのは、私はサード・スペースを求めている
ということでした。
思い返すと私は、コーヒーだけを求めてスタバに行ったことはありません。
コーヒーのそばには必ず本があったし、パソコンがあったし、時には友人がいました。
コーヒーというものはむしろ重要ではなく、作業効率を上げてくれるひとつのアイテムに過ぎなかったのではないか。。
そんなことを思い知った今の私では、
『これからはブルーボトルコーヒーに通います!』
なんて言えません。
これからもサード・スペースを求めてただひたすら、スタバ一択です。
ブルーボトルコーヒーの競合はどこなのか?
ところでちょっと本題から外れますけど
快適な場を求めたリピーターを増やす=スタバ
コーヒーを求めたリピーターを増やす=ブルーボトルコーヒー
ならブルーボトルコーヒーの競合はどこなのか?という疑問。
コーヒーショップのシェアとして考えるなら、スタバが大きな競合相手ですが、両者は目指すところがまったく異なります。
ではどこが真の競合となるのか?
ぱっと思い浮かんだのは、喫茶店です。
昔ながらの日本の喫茶店。
なぜ喫茶店なのかというと、一回一回ドリップしてくれるところ。サイフォンとかいうレトロな器具で淹れてくれるところなら目にも楽しい。そして新鮮。
あと価格帯も喫茶店寄りって感じですよね。ワッフルなんか500円もしたし。。美味しかったですけど。
そしてブルーボトルにはないサード・スペースが用意されているところ。それが喫茶店なんです。
(あとで調べてみたら、ブルーボトルコーヒーのオーナーは日本の喫茶店をお手本としてたようですね。)
ひとつ喫茶店でネックになるのは喫煙OKという場合です。
これではコーヒーの匂いが死んでしまいますからね。コーヒーを求めてる人は来なくなってしまいます。
そうなると禁煙のレトロ喫茶というものには、かなりの需要がありそうじゃないですか?
例えば中高年からは、スタバは若い人で賑わいすぎてて居心地が悪い、とルノワールなどの往年の喫茶チェーンが選ばれていますが、
ここでもたばこの煙が、他を選ぶきっかけを与えることも多そうです。
健康への関心、超ー高いですからね、中高年は。
正直私が足繁く通うスタバも、いつまでサード・スペースという役割を担えるかわかりません。休日なんか人気ありすぎて、入りたい時に入れない状況ですから。
そういう状況では、街の古びた喫茶店にチャンスは開かれているのかもしれません。
ただ、もっとオープンで入りやすい雰囲気は必要かもしれないし、“滞在”を許す空気をつくれるか?といった壁はあると思いますが。
私は、ブルーボトルコーヒーの競合として、古き良き喫茶店を挙げましたが、
考えたらもっと色々出てきそうです。皆さんはブルーボトルコーヒーの競合、どこになると思いますか?
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