海外旅行に行く前に知っておきたいこと 〜6万円ドブに捨てた話〜
そうだ、台湾にいこう。
そう思ったのは、先月末。
突然の思いつきだった。
私は変わり映えもなく過ぎるだけの毎日にウンザリしていた。
そんな日常を変えたかった。
「週末弾丸旅行をしてみたい」
おいしいものを食べにいくためだけに海外へ行く
という贅沢を味わってみたいと思い、行き先は台湾にした。
さっそく調べてみると、
台湾行きの航空券は比較的、安く出回っていた。
驚いたのは、平日に出発するか、土日出発するかで料金が倍ちがうことだった。
こんなに違うのであれば、学生時代にもっと海外へ行っておけば良かった、と後悔するのは後の祭りである。
台湾に行くのにどうしても3万以上出したくなかった私は、
金曜の昼に出発するものを選び、休みが合う友人を捕まえて、無事チケットをとることができた。
1万8千円の航空券が、もろもろ含めると結局3万円したが、安いものだった。
ふたり合わせて6万円のチケット代をすみやかに振り込んだ。
有給休暇届けも無事通り、なにもかもが順調に思えた。
そんなとき、突然メールが届いた。
○○旅行社
パスポートの残存期間に関しまして
ディラン好き 様は、査証は必要ございませんが
入国時3ヶ月以上が必要となります。
現在、登録されているパスポート情報を確認いたしますと
1ヶ月しか残存期間がないようでございます。
その後、更新をされていらっしゃいますでしょうか。
お手数をおかけ致しますが、お電話でのご連絡をお願い致します。
宜しくお願い致します。
ん?
ん?
急いで旅行会社に電話をかける
D:「いや、更新してませんけども」
旅:「あちゃー、そうですか。残存期限が足りないと出国できない可能性が高いですね。」
D:「え、パスポートの有効期限は8月まで大丈夫なのに、だめなんですか?」
旅:「重要事項説明書にパスポート残存期限について記載があったと思いますが、目を通されましたでしょうか」
D:「重要事項説明書?」
旅程が記載されたファイルをずっとスクロールしていった最下部に、確かにそれはあった。
なるほど…これは目を通さなかった。
過去に私のようにパスポート残存期限のことを知らずに予約してきたバカがいたのだろう。旅行会社のクレーム対策は十分で、私は成す術がなかった。
旅:「残念ですが、これに関しては私どもではどうすることもできません。外務省か大使館に問い合わせてみて下さい」
問い合わせてみたが、臨時の発行も、少なくとも2週間くらいかかると言われ、出発まで9日しか残っていなかった私は、そのことを再度旅行会社へ伝えた。
旅:「残念ですが、ジ・エンドですね…」
D:「お、お金は…お金は戻ってくるのでしょうか!」
旅:「残念ですが、今回お客様が申し込まれたのは格安航空券のため一銭も戻りません」
今、私の胸はザワついている。
こんな初歩的なミス…アホか。と思うかもしれない。
だが聞いてほしい。
私も海外へ行くのは初めてではない。
だから、どこかで残存期限の話はむかし聞いていたのかもしれない。
けれど、久しぶりの海外旅行に浮かれてそのことは頭から抜け落ちてしまっていた。
パスポートの更新は5年か10年に一度なので、
つくって何年かは残存期限の事など気にしなくて済む。だがこれが落とし穴となったのだ。
人間の記憶は忘れるように出来ている。
旅行の予定を立てるときは、パスポートの有効期限をみて安心せず、
渡航先に必要な残存期限があることを知っておきたい。
それを調べてからチケット代を払ってほしい。
ドブに捨てるのは私の6万円だけでいい。
そう、私の6万円だけで…
金曜日は、ひとりで横浜中華街へ行こうと思う。