【NYひとり旅 回顧録2】ハイラインで、熱中症にかかった話
前回からはじまったNYひとり旅の回想録ですが、しばらくの間続きます。
到着早々、ニューヨークに圧倒されてしまった私はピザ屋で最高の孤独を味わった後、トボトボと宿へ戻り、そのまま寝てしまったようです。
目が覚めたとき外はまだ薄暗く、時計は朝6時を指していました。
そのまましばらく状況が呑めずにぼーっとしていましたが、しばらくして
「あ、ここニューヨークじゃん」と気付きました。
シャワーを浴びて外へ出てみると、
ホステルの中庭ではすでに朝食の列ができていました。
仲間内で来ている人は青空の下、賑やかに朝食をとっていましたが
斜陽にいる私は壁に向かって食事をとりました。
NYの安宿では一般的な食事内容だったと思いますが、この時以来私はベーグルのおいしさに気付き、困ったらベーグルばっか食べてました。
朝食を終えて宿から一歩外へ出ると、
綺麗に区分けされた道路からはイエローキャブが現れては去り、青空のもと犬を散歩する人やランニングをする女性が目に入りました。
昨日みた景色とは違い、さわやかなマンハッタンの姿がそこにはありました。
このとき私は、自分が自由であることを知りました。
今までに感じたことのない感覚といいますか。
ここでは誰も自分のことを知らないし、誰も気にかけようとしない。
昨日感じた孤独、都会の無関心さは、朝になって初めて私に自由を感じさせてくれたのです。
向かうところ敵なし。
この時は私は、国王号に乗るラオウのような気分でした。
ホステルの近くのチェルシー地区には、ハイラインという空中庭園があり、たしか当時できたばっか(?)だったと思います。
マンハッタンを見下ろしながら高みの見物なんて俺らしいじゃないか、
ということで行ってみることにしました。
途中、屋台のおじさんにアイスクリームを買ってくれと声をかけられたので、
発想がDQNになっていた私は、「もちろんさ、釣りはいらねえよぉ」
と5ドル渡しましたが、英語が通じなかったらしく普通に50セント返されました。
最高の天気に緑豊かなハイライン、それとソフトクリーム!もう最高です。
気分が良かったのか、気付くと
くるりの『ハイウェイ』を口ずさんでいました。
ぼ〜くが旅に〜出る理由は〜大体100個くらいあって〜♪
ひとつ目は〜ここじゃどうも〜息も詰まりそうになった〜♪
ふたつ目は〜今宵の月が〜僕を誘っていること〜♪
みっつ目は〜車の免許〜とってもいいかな〜なんて♪
思って〜いる〜こと〜
この1時間後、私は熱中症で倒れることになります。
一日を無駄にしてしまったことは残念でしたが、ハイラインは素敵な場所だったので、マンハッタンへお越しの際はぜひ立ち寄ってみて下さい。
まだまだ暑い日が続きますので、みなさんも熱中症には気をつけて下さいね。
それでは。
(つづく)